

液晶メーカーの開発競争が始まった1987年、当社では一件の特注物件に全力を注いで いました。 それは、ある液晶メーカーで発生した技術的な課題をお客さまとともに解決するためのものでした。 当時、液晶の測定規格はまだなく、最適な測定方法を模索し、世界中の液晶メーカーのニーズに一つ一つ熱心に対応していく地道な作業の連続でした。 その結果、当社の評価・検査方法が広く受け入れられるようになり、装置は世界の標準機になりました。 液晶パネル評価装置 LCDシリーズはこうして誕生しました。
大量生産のみならず、どんな小さな問題にも取り組み、常にユーザーフレンドリーな製品をお客さまと二人三脚で提供させていただくことをモットーとしてきた成果だと思っております。 そして、LCDシリーズは今、世界中で圧倒的なマーケットシェアをつかむまでに至りました。以来10年以上の月日が経過し、液晶関連の製品群はセルギャップ検査装置 Rets シリーズ、カラーフィルタ分光特性検査装置 LCF シリーズなど5シリーズ20機種以上のバリエーションがラインアップされるまでに成長し、小型から先端の超大型基板、またLCDのみならず、あらゆるディスプレイの製品、材料、評価に対応できる製品群へと拡大しました。
分光計測の主流がまだ自記分光光度計であった1980年代初め、弊社は、設立時からの製品であるストップトフローに使われた高速スキャン技術をもとに、当時の先端技術部品のフォトダイオードアレイとオプティカルファイバーを取り入れた光分析装置を開発しました。
高速、高感度で測定できるうえに、オプティカルファイバーでどこでも測定できることに着目した、ベンチャー企業ならではの技術を重視した製品でした。この装置は従来の分光光度計のイメージを一変させるものでしたが、当社では敢えて用途を特定しませんでした。
当社の技術スタッフ、営業スタッフは各分野の顧客とともに、どのように使えるかをひたすら考え、個々の顧客のニーズに応じてソフトウェアを工夫し、アクセサリーをつくってまいりました。その結果、今日に至るまで、大学、研究機関では、医学、生化学、化学、機械、電気、電子の分野で、また産業界では、これらの分野に半導体や測色関連を含めた分野で研究開発からラインまでカバーできる多種多様のシステムを提供してまいりました。
このように、多くの用途に使える分光計測システムが構築できたのは、個々の顧客のニーズを汲み取って製品化してきた当社の特注品製造の積み重ねの成果といえますが、また顧客との共同開発の集大成であるともいえます。今後とも、より一層ご満足いただけるよう、それぞれの分野のニーズにマッチした高精度、高感度の使いやすい装置の提供を目指したいと考えています。




当社がガス分析分野に参入したのは1998年当初、アメリカのあるガス分析機器メーカーとの提携が始まりでした。この頃、FTIRといえば、輸送の度に再調整が必要な精密分析装置であり、デモンストレーションなどを行わないのが常識でした。この常識を破ったのが、この会社が開発した工業ガス用FTIR分析装置でした。この装置は、可搬性と堅牢性を有し、プロセス現場におけるガス分析を可能にしました。また、測定と解析が同時にでき、しかもガス分析の専門家でなくても簡便に扱えるソフトウェアを実装していたことも大きな特長でした。
2003年、この会社との提携が打ち切りになったことを契機に、5年間に培われた測定技術と蓄えられた顧客のニーズを元に新しい装置のコンセプトを検討、そして2004年秋、工業用ガス分析装置 新IGシリーズを開発しました。
2005年、京都議定書の発効に伴い、地球温暖化ガスの排出に関して世間ではより一層の関心が高まっています。半導体や液晶業界では、使用されているPFCおよびSF6の排出量を把握し、削減目標に向けて日々努力がなされています。工業用ガス分析装置 IGシリーズは、PFC、SF6などをはじめとする地球温暖化ガスの分析手段として、排出量の削減に貢献したいと考えています。
また本来の用途であるガス中の水分及び不純物測定においても高感度・高精度にできる装置です。
今後は他の装置群とのコラボレーションにより、ガス分析以外においてもFTIRの技術を応用していきたいと考えています。