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よみもの 【入門】ゼータ電位

【第3回】テラヘルツ分光による物性評価 −時間領域分光法以外の手法、およびテラヘルツ波光源−

3.サンプル測定例の紹介

最後にTR-1000を使用した測定例をご紹介します。今回紹介する測定例は、錠剤化したサンプルのものです。粉末試料の場合、中赤外領域で用いられるKBr法のように、試料を希釈剤と混合し錠剤化する方法がテラヘルツ分光でも使われます。テラヘルツ分光の場合、ポリエチレン粉末が希釈剤としてよく用いられます。

図5.ポリエチレン粉末を用いた錠剤化サンプルの調整
図5.ポリエチレン粉末を用いた錠剤化サンプルの調整


測定例1つ目は、アミノ酸(チロシン)の光学異性体を測定したものです。各アミノ酸25 mgをポリエチレン粉末(希釈剤)75 mgと共にφ10 mmに錠剤化したものがサンプルです。

図6.チロシンの光学異性体とラセミ体の吸収スペクトル
図6.チロシンの光学異性体とラセミ体の吸収スペクトル


光学異性体のD体とL体で類似したスペクトル特性(吸収ピークの位置)であるのに対して、ラセミ体は全く異なったスペクトルです。このようにテラヘルツ分光では、同じ分子式から成る物質であっても構造の違いを反映しやすい特徴があります。

図7.チロシンの分子式(上)とイメージ図(下)
図7.チロシンの分子式(上)とイメージ図(下)


測定例2つ目は、クエン酸の無水物および1水和物、3水和物ナトリウム塩を測定したものです。各クエン酸50 mgをポリエチレン粉末(希釈剤)50 mgと共にφ10 mmに錠剤化したものがサンプルです。

図8.クエン酸の吸収スペクトル(水和・塩の違い)
図8.クエン酸の吸収スペクトル(水和・塩の違い)

クエン酸の場合も基本分子は同じですが、水和の数や塩の違いによりテラヘルツスペクトルに違いが見られます。この場合も、水和することや塩をとることによる構造上の違いを反映しているのではないかと考えられます。

それでは、次回をお楽しみに。

(2009/09)
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